日蓮宗 実成山 久成寺
〒412-0022 静岡県御殿場市清後559 電話0550−82−0186
 
 お香の始まりは紀元前のエジプトで、やはり宗教上の儀礼のために焚かれていました。その後インドヘ伝わります。元来、インドは酷暑ですので臭気に対する配慮が強く、様々な香が作られました。古代の人々は、香には防腐、殺菌の効果があるとすでに知っていたのです。
 薫香を持に大切にしたお釈迦様は、単なる香りとしてでなく、自らの邪気を払い、体や心の汚れを除き、清浄なる功徳があるものとし、経典にも度々仏前に供えなさいと説かれております。仏様の食べ物であると同時に、私達が仏様の境界に近づく術でもあるのです。
 日本では推古3年(595年)日本書紀に最初のお香の記述が見られますが、いずれにしても仏教の伝来と共に始まったと言えるでしょう。
 皆さんのご家庭にあるお線香もお香の一種ですが、その歴史はぐつと新しく江戸時代初期に始まります。中国福建省から伝わった線香製造技術が、平安時代から蓄積されたお香の調合法や、漢方薬・鉄砲鍛冶等の技術と融合しお線香の製造が始まりました。お線香はそれ自体に香料と燃焼材料が練り込まれていますので、火をつけるだけでよい手軽さが大いに喜ばれ、現代に至ってはお香の9割を占めるとも言われています。
 
線香のあげ方
   
お線香の本数は1本か3本
 一般的には、1本または3本を立てますが、葬儀や法事では、1本をお勧めします。
線香を1本取り、ローソクで火を付ける
線香の炎は、あいている手であおいで消す
線香を静かに立てる
合掌して礼拝する
 
焼香の作法
 
お焼香の回数は1回
 日蓮宗では、お導師様が3回、その他の人は1回でよいとされています。葬儀や法事では1回をお勧めします。
親指、人さし指、中指の3本で軽く焼香をつまむ
つまんだ香を軽く捧げる
香を香炉に静かに落とす
合掌して礼拝する