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数珠は 「誦数・誦珠・呪珠・念珠」とも書き、西暦2〜3世紀のころから使われたといわれています。もともと念珠の数を数える『数取り』の道具でしたが、これを用いると、悪心をおさえ、すべての罪障を滅除し、このうえない功績が得られるという大切な法具です。
数珠には装束数珠と勤行数珠(普通仕立)があります。
装束数珠は房が広がっていて(導師房)、僧侶が使う数珠です。勤行数珠は一般檀信徒が持つ数珠で、房が丸く (菊房・玉房)なっています。
珠の材料は香木・梅・黒檀・菩提樹・水晶・真珠・珊瑚・象牙・石など多種多様です。日々の信行には扱いやすい自然木や木の実などが良いでしょう。 |
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日蓮宗のお数珠は、大きな珠(親珠)2個、小さな珠(四天珠)4個、普通の珠108個。合計114個の珠からなっています。
大きな珠は親珠(拇珠)といい、右の親玉を浄名珠といい「釈迦牟尼仏」、左の親珠は数珠を留めるところから、緒留ともいい「多宝如来」をあらわしています。
小さい珠は4天珠といい、上行・無辺行・浄行・安立行の四菩薩をあらわしています。また、左側にある3本の子珠の形の違うもの(10個の子珠)が独特の「数取り」と呼ばれるものです。 |
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仏事のときには、必ずお数珠をもって行きましょう。 |
日蓮宗のお数珠は、合掌をしたりお経本を持つとき数珠を二重にして房を下にし、左手に掛けて持ちます。
勧請・唱題・回向の時には、親珠を両方の中指の第1関節に、数珠を一度ねじってから(あやにする)そのまま両手を自然に合わせます。
数珠の房は二つ房の方を右手に、三つ房が左手にくるように持ちます。
「右手」み・ぎ =2本(二つ房)
「左手」ひ・だ・り=3本(三つ房) と覚えるとよいでしょう。
数珠をすり合わせて音を出すのはやめましょう。
合掌は手のひらを隙間なく合わせることです。両手を合わせてほかに何もできないことを示し、一心に祈る礼拝の姿です。
インドでは、右手は清浄(神聖)、左手は不浄(凡夫)を表します。この二つの心が帰依(南無)することによって、仏さまと私たちが一つになれるといわれています。
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